2019年7月29日
鋳造に特化した熟練の職人から生み出される、オーダーメイドの金具やアクセサリー
メタルハウスと職人による鋳物作成風景
鋳造に特化した熟練の職人から生み出される、オーダーメイドの金具やアクセサリー
Rubber Casting by Craftsman with METAL HOUSE
メタルハウスには、モノ作りを共に支える多くの職人達がいます。
金属を切る職人、打ち抜く職人、曲げる職人、穴を開ける職人、原型を作る職人、鋳物の技術を持つ職人、メッキ職人、縫製職人、革なめし職人、 、、
そのなかから、鋳物にてオリジナル金具を製作する職人を紹介していきます。
下町の工場に鋳造の名人がいます。
鋳物とは、溶かした金属を型に流し込んで作る金属の立体物のこと。アクセサリーやベルトなどに使う金属の部品から、動植物・人形・乗り物・建物・アルファベットなど、いろんなモノをかたどった金具を作り出す事ができます。
溶けた金属が冷めて固まると、多種多様な形が型から生まれてきます。
この技を支える名人は、鋳物の型の源となる原型=立体造形=も、鋳物の修復も、細やかな技術で何でもこなすことができます。
例えば、こんなに小さくても、お客さんが紙に描いてきたリスの絵も、巧みな指さばきで立体造形に仕上げてしまいます。
このミリ単位の細工を施してくれる職人、技がいることで、今の物作りは支えられています。
これらの立体造形は、リューターと呼ぶハンドドリルのような道具で亜鉛などの金属の塊を削りながら作られていきます。
ただ、平面を立体のモノに仕上げてみるとイメージが違ってみえることも。そのために、試作品を作って、お客さまに納得してもらうまで改良が続きます。
リューターの先には丸い刃、四角い刃、尖った刃、太い線の刃、細い線の刃、、、。
狙った形に合わせて刃をとっかえひっかえ使い分けて、細工を施していきます。リューターを操る指先から次々と形が生まれていきます。
注文によっては、熱に強いフッ化炭素樹脂でできたテフロンを削り出して、型を細工することも。今手に持っているのは、金属のライターケースの注文に応じて作った型。
こういったものも、挽き物屋さんに頼むことなく、微妙なアール(角度)などを調整しながらリューターを使って手作りします。
ここからは、鋳物を仕上げる工程。
職人が作った原型=立体造形=を型取りして作った、ラバーキャストという円盤状のゴム型が機械にセットされていきます。
このラバーキャストを回転させて、遠心力を加えることで、細かな形状の鋳造が可能になります。
職人のまわりには、職人技を可能にするいろんな道具や機械が揃っています。
鋳造の機械にラバーキャストをセットしたら、溶かした亜鉛などの金属を流し込みます。亜鉛が解け始める時の温度は200℃。機械に流し込む時の温度は300℃。
危険が伴う作業が慎重に進められていきます。
この時は、ちょうど2ミリ程の「S」をかたどった部品を鋳造しながら、同時に小さなリングをインサート(取り付け)する作業が終わったばかりです。
目を凝らさなければ見えないくらい細かな作業がこの大きな機械で作られています。
ただ、こんなにわざと手間暇がかかった作業ですが、「小さな部品」ということで、値段は押さえられてしまうことが多い、職人泣かせの商品です。笑
再び職人の作業机。
ベルトのバックルのくぼみを消す作業をしています。
ファーストサンプル作成後の確認に際に、「デザイン上くぼみがいらない」などの変更に対応できるのも職人の技ですよね。
ハンダを乗せて、リューターで削って磨き込めばくぼみは無かったことにできるんです。手間暇をかけて作った原型を一から作り直すのは、時間も掛かるし、サンプルのニュアンスも変わってしまうので、この修正が大切になります。
職人技ですね。
ゴム型の命を吹き込む立体造形を作るのに、長いときで一週間。短いときでも2日あれば、なんとか形にすることができます。
鋳造をしていて嬉しい時は、イメージが形にできた時。
作っている時は”何だろうと”と思うこともあるけど、無から有を作り出す職人のこの技術、後世に残していきたいですよね。
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